・欧米圏の世界最高峰レベルの大学院で研究し、博士号を取りたい
・でも、応募のために何を準備したらいいのかが分からない
・そもそも海外の院には、特別な才能を持った人しか入れないのでは?
こういった悩みを抱えた読者さんを想定しています。
この記事を書いている私は現在、日本で物理学者として働いていますが
イギリスの大学院に応募し、合格を頂いた
という実績があります。
本記事ではそんな私が、欧米圏のトップクラス大学院で博士号を取得したい方に向けて
「準備すべき書類」を解説していきます。
なお他の記事でも、海外の大学院合格に向けての記事を書いております。
合わせてご覧いただけると幸いでございます。
応募の際に必要な書類6つ
応募の際は、オンラインでの応募がほとんどです。
詳細や応募手順などは、志望先の大学院のホームページから確認して頂きたいのですが、必要書類に関しては以下で紹介する6つがあれば十分だと思います。
※まぁ、当然ホームページは英語で書かれているので、最初のうちは読むのも苦痛だと思いますが、少しづつ慣れてくるので頑張ってください。
履歴書 CV
当然ですが、履歴書(Curriculum Vitae: CV)は必要です。
私が応募した時には、決まったフォーマットは特に無く、自分で作ったやつを使い回していました。
実際に私が応募の際に書いた履歴書を下の図に載せます。
よかったら、参考にしてください。
注)名前や住所などの個人情報に関わるものは架空のものを使っております。
図で黒い四角で隠した奴がそうです。
どうかご容赦下さい。
推薦状(2〜3通)← 最重要!!
推薦状こそが最重要書類です。
6〜7割方、推薦状で合格が決まる
と言っても過言ではありません。(これはマジ)
2〜3人の教授に頼んで、推薦状を書いてもらう必要があります。
良い推薦状を書いてもらうためには、教授に応募者の能力・資質等を詳しく書いてもらう必要があります。
そのため、推薦状執筆をお願いする相手としては
- 研究室に所属しているなら、指導教員
- 同じ研究室の別の教員
- もし研究室に所属していないなら、授業を通して親しくなった教員(例えば、授業の成績が良かった、よく話していた等)
- 学会を通して、仲良くなった教授など
が挙げられます。
長年の深い付き合いで、自分のことを隅々まで知ってくれている事が理想ですが、教授とそこまでの関係を築けている人は殆どいないと思います。
上記に挙げた人たちでさえ、貴方のことを深く知っている訳ではないでしょう。
ましてや教員の皆様は多忙で、基本的に推薦状執筆にそこまで時間を割けません。
つまり
自分のことをそこまで深く知らない、かつ多忙で時間がない教員に、質の高い推薦状を書いてもらう必要がある
のです。
これがいかに難しいことかは、想像に難くないですよね。
この困難を解決する有効な手段は
推薦状のテンプレートを自分で作る
ことです。
教授の目線になって、自分を評価する推薦状を自分で作りましょう。
第三者視点に立って自分を評価する文章を書くのは恥ずかしいですが、一時の恥と割り切って乗り越えましょう。
(ここで諦めたら一生の恥です)
推薦状のテンプレート
このテンプレートも、私が実際に使っていたテンプレートを下図に載せますので、ご参照ください。
これも下手くそです笑
このテンプレートを、3人の先生に渡して、先生方にアレンジして頂きました。
合格を貰えたのはきっと、先生方のアレンジのおかげだと思います💦
しかし、推薦状を書く教授からしてみれば、テンプレートがあるのとないのとでは雲泥の差です。
もしテンプレートがなかったら、0から文章を作る必要がありますから、とっても大変です。
テンプレートがあれば、そこに加筆修正、教授自身の評価を加えれば良いので、書く手間が劇的に減ります。
テンプレートの存在は、質の高い推薦状を書いてもらうハードルをグッと下げてくれるものです。
質の高い推薦状を書いてもらえれば、それは合格に直結します。
Personal Statement (PS)
Personal Statement(PS)とは、就活でいう自己PRのことです。
全書類の中では、2番目に重要な書類です。
(何回も言いますが、一番は圧倒的に推薦状)
自らの経験をもとにしながら
- 自身の強み
- 応募先の大学院の研究室に貢献できる理由
などを書く必要があります。
これもほとんどの大学院で、フォーマットは特に決まっていません。
「A4片面1ページを上限とする」みたいな条件はありますが、これも応募先によってまちまちです。
まぁ、百聞は一見にしかずということで、私がマンチェスター大学大学院への応募の際に書いたPSを以下に載せますのでご参照ください。
見る人が見ればわかりますが、下っっっ手くそですね笑
修正しようかと思いましたが、皆様には応募当時の私の文章能力そのままを見ていただきたいと思い、断腸の思いで手を加えずに載せました笑
(個人情報はモザイクかけましたが。)
逆にいうと、この程度でも合格を貰えるのです。
この私のPSを見て、読者の皆様が少しでも自信を付けてくれると嬉しいです。
そして皆様には、これを参考にもっと良い書類を書いていただけると幸いです。
大学学部以上の成績証明書
大学の成績証明書も必要です。
成績が良ければ当然合格率も高くなりますが、実は、推薦状に比べるとそこまで重要ではありません。
GPA3.0以上あれば問題ないと言われています。
裏付けはないですが、私の周囲の人の話を聞く限りそんな感じでした。
ちなみに私のGPAは2.9でした笑
大学院応募の際に一緒に頑張った知人によると
トータルのGPAが低くても、専門科目の成績が良ければ大丈夫かも?
みたいに言っていましたが、確かなことはわかりません💦(すみません)
私の成績は、専門科目はそれなりに良く(ほぼ全て最高評価)、それ以外の教養などが軒並みボロボロで、トータルにして微妙な感じでした。
私が合格を貰えたのは、そこが評価されたのかどうかはわかりません。
しかし、私が一番言いたいのは
成績が微妙でも諦めないで!今から少しでも良くする努力をすれば良い!
ということです。
とにかく、推薦状の方が遥かに重要なので。
TOEFL or IELTSのスコア
欧米で暮らすだけの英語力を有している事を示すために、英語の試験を受ける必要があります。
欧米圏の大学院応募のためには
- TOEFL IBT
- IELTS Academic module
のどちらかを受ける必要があります。
TOEICの成績は使えないのでご注意ください。
「どっちを受ければいいの?」
と思うかも知れませんが、基本どっちでも良いです。
昔は「北米圏に応募するならTOEFL」「欧州や豪州に応募するならIELTS」という区別があったらしいですが、今はほとんどの大学院に関して「どちらでもいい」となっています。
私はIELTSを受けました。
スコアは以下の通りです。
注:IELTSを受験したのは7~8年くらい前の話なので、公式のテスト結果を紛失してしまいました。
理系大学院の場合、合格に必要な最低限のスコアは
- TOEFL IBT … スコア94以上(各セクション22以上)
- IELTS Academic module … スコア6.5以上(各セクション6.0以上)
であることが多いです。
詳細は、応募先大学院のホームページをご参照ください。
GREのスコア(北米の大学院を志望するなら)
GREとは、北米圏の大学院応募に向けて、基礎学力があるかどうかを試す試験のことです。
科目内容は
- Verbal Reasoning – 北米圏の国語のようなものです。非常に難しいです。
- Quantitative Reasoning – 基本的な数学(図形、計算問題など)です。レベルで言うと、高校1~2年生レベルだそうです。
- Analytical Writing – 論文試験です。
ぶっちゃけ、私はGREを受けたことないので、詳しいことは分かりません笑。
欧州と豪州の大学院しか応募しなかったので。
というか「GREを受けるのが面倒くさいから、北米圏の大学院を応募しなかった」というのが正確ですね。
カナダの大学院に行った友人の話によると、Verval Reasoningは低得点でもいいとのことです。
その代わり、数学はほぼ満点を取らないといけないみたいです。
論文試験で差がつきやすいとのことです。
まとめ
- 欧米圏の院に応募するには履歴書などの5〜6種類の書類が必要
- 特に、推薦状の良し悪しで、6〜7割合格が決まる。
- 特に北米圏の院に応募するなら GRE試験を受ける必要あり。
コメント