【東大研究員が選ぶ】量子力学のオススメ教科書6選:レベル別で紹介

4. 科学・物理学(一般の人向け)

・大学で「量子力学」の講義やってるけど、難しくて分からない

・色んな本や教科書を他人から勧められたけど、どれから手をつけたら良いか分からない

・初心者でも学べる適切な教科書が知りたい

こういった悩みを抱えた読者さんを想定しています。

本記事では、レベル別・学年別に応じた「おすすめの量子力学の教科書」をご紹介します。

大学の物理の講義は高校などと比べても遥かに高度であり、その中でも「量子力学」の講義は多くの学生が遭遇する大きな壁の一つですよね。
大学の講義全般に言えることですが、講義だけで量子力学の内容を全て理解するのは困難です。
(逆に、講義を受けずに本や教科書だけで学ぶのはもっと困難ですが)

そんな壁を突破する上で大きな助けとなるのが、学生自身のレベルに合った適切な教科書の存在です。

適切な(いくつかの)教科書を講義の予習や復習に活用することで、量子力学の内容の不明瞭な点を一つ一つ潰していくことが出来ますし、試験で良い成績を取ることも可能になります。

本記事を執筆している、私トーマは、東京大学で物理学者として勤務しており、量子論に関する理論研究を専門としています。
そんな私が、物理の学部生向けのおすすめ教科書を紹介していきます。

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量子力学を初めて学ぶ人向け:学部1年〜2年前期

このセクションで紹介する教科書は、以下のようなレベルの読者さんに適しています。

  • 大学の講義が始まる前に量子力学を学んでおきたい(学部1年〜2年前期程度)
  • 量子力学の講義を受けてはいるが、難しくて理解できないので、もっと簡単な教科書で勉強したい

スバラシク実力がつくと評判の 量子力学キャンパス・ゼミ  馬場 敬之 著

安心安全のマセマです笑。

量子力学の初歩的な内容(シュレディンガー方程式、演算子法など)を例題形式で解説してくれており
初学者でも例題を解き進めていくことで、一歩一歩段階的に理解できるようになります。

また、解析力学やガウス積分など、必要な数学知識を事前に復習してくれるため、これらを知らない読者さんでも読み進めることが出来ます。
とにかく、計算過程がとても丁寧に書かれているので、初学者でも計算過程に迷うことはないでしょう。

しかし、扱っている内容が

  • 波動と確率
  • シュレディンガー方程式
  • 演算子法

など、本当に初歩的なものしかありません。
角運動量や中心力場など、もう少し進んだ内容を学ぶためには、別の教科書を利用する必要があります。
とはいえ、スタートダッシュには最適の一冊だと思います。

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量子力学の講義を受けている最中の人向け:学部2年後期〜3年

このセクションで紹介する教科書は、以下のようなレベルの読者さんに適しています。

  • 講義の復習に活用したい。
  • 定期試験や大学院試験対策に、手を動かして問題を解きたい

量子力学(I)  小出昭一郎 著

この本の特徴は、必要な数学的予備知識が少なく、論理の過程も丁寧に書かれている所です。

量子力学で必要となる数学の知識(線形代数、フーリエ解析、特殊関数論)についても簡単に説明してくれています。
そのため、もし講義で分からない(もしくは忘れてしまった)数学が登場して困ったとしても、この本を活用して復習すれば、大いに理解の助けになると思います。

標準的な教科書の中では比較的易しいと思います。
量子力学に慣れていない、もしくは苦手な学生さんは、是非持っておくべき一冊です。

しかし演習問題がないため、定期試験や大学院試験の対策をしたい場合には、物足りないと思います。

量子力学 I  江藤幹雄 著

この本の特徴は、大学で習う量子力学の必修部分に関して、一冊に網羅されている所です。
多くの大学で「量子力学I」「量子力学 II」という名の付く講義の内容に関しては、大体これ一冊にまとまっています。

本文の論理・計算の過程も詳しく書かれているため、講義で分からなかった点があったとしても、きちんと本文で補完してくれることでしょう。

個人的には7章の「磁場中の荷電粒子、対称性と保存則」の説明分かりやすかったです。
他の本であまり詳しく解説されていなかったので、ありがたかったです。

演習問題はありますが、解説に行間が多く、問題を解き進めるうえで少し苦労するのが難点です。

私は学生の頃、講義の復習には、この教科書をメインに使用していました。

量子力学 I  猪木慶治、川合光 著

この本の特徴は、例題・演習問題が充実している所です。
解説の計算過程も、割と詳しく書かれています。

本文の内容は行間が多く、お世辞にもわかりやすいとは言えませんが、この本に載っている例題・演習問題を手を動かしながら解くことで、講義で習った量子力学をより深く理解することが出来ます。

定期試験や大学院入試対策で、問題演習や過去問対策をする際に重宝するでしょう。
個人的に、大学院入試で頻出の中心力場や水素原子で演習を積めるのはとてもありがたいと思っています。
(私は学生の頃、水素原子で苦労しました笑)

この本は、問題集として活用するのがベターだと思います。

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もっと深く量子力学を学びたい人向け:学部3年以降

このセクションで紹介する教科書は、以下のようなレベルの読者さんに適しています。

  • 量子力学の講義を受けたけど、もっと高度な内容を学びたい
  • ブラケットの概念が、抽象的でいまいち分からないので、きちんと理解したい

量子力学 II  猪木慶治、川合光 著

この本の特徴も、例題・演習問題が充実している所です。

解説する内容は上記の「量子力学 I 猪木慶治、川合光 著」とほぼ同じです。
教科書というより、問題集として扱うのが良いでしょう。

摂動論や散乱問題、WKB近似などに関して、たくさんの問題演習が積めます。

定期試験や大学院試験で、出題範囲になっている箇所については、徹底的に解くと良いでしょう。

現代の量子力学(上)  J. J. サクライ、J. Napolitano 著

この本の特徴は、ブラケットや角運動量の解説がとても詳しい所です。

序盤からいきなり、ブラケットやスピンの話から入るという、かなり独特な構成をしています。
そのため、初心者向きではないです。

しかし、私はこの本に出会って、これまで抽象的でよく分からなかったブラケットや不確定性原理などの概念が、すっきりわかるようになりました。

角運動量の解説も、これでもかという程にゴリゴリ解説しているため、志ある学生さんには絶対に読んでほしい一冊です。

ちなみに、今回は上巻しか紹介しませんでしたが「相対論的量子力学」を学びたければ、下巻を読むと良いでしょう。

まとめ

  • 量子力学は1日にしてならず。一冊の本や大学の講義だけで全てを理解するのは困難
  • 自分のレベルに合わせて適切な教科書を複数選んで学ぶことが大切
  • 独学や講義の復習に適した教科書を、各レベル別に6つ紹介した

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