「空は青い」って子供の頃から当たり前に思っていたけど
そもそも何故、空は青いんだろう?
こういった疑問を持った読者さんを想定しています。
本記事では「空はなぜ青いのか?」について、解説していきます。
多くの方にとって当たり前に思えるこの現象ですが、突き詰めて調べると非常に奥が深いことが分かるのです。
本記事を執筆している、私トーマは、物理学者として勤務しています。
そんな私が分かりやすく解説いたします。
なお、私が書いた別の記事で「夕焼けが赤い理由」というものもございます。
合わせてご覧いただけると幸いでございます。
空が青い理由 - 太陽光が「レイリー散乱」するから
結論から言うと、空が青いのは
レイリー散乱により、太陽光に含まれる青い光が空いっぱいに広がるから
です。
いきなり「レイリー散乱」とかいう専門用語が出てきて戸惑った方も多いかも知れません。
先ほどの一文を見て多くの方が思ったことは
- レイリー散乱とは何か?
- 青い光とは何か?
- 青い光が空いっぱいに広がるのは何故か?
ということではないでしょうか?
本記事では、以上3つの疑問に答える形で「空はなぜ青いのか?」を説明していきます。
レイリー散乱とは?
レイリー散乱とは一言で言うと
空気中の微粒子により、光が散乱される現象
です(下図参照)。
https://ochadoko-yamatoya.com/physics-wavemotion10 より引用
レイリー散乱は、1871年に物理学者のレイリー卿によって解明された現象です。
彼は空気中に存在する酸素や窒素などの分子により、光が散乱されることを突き止めました。
空気中の分子に光が当たると、光を弾き返し、その分子一つひとつがあらゆる方向に光を弾き返します。
その結果、光があらゆる方向に散らばっていきます(光の散乱)。
散乱された光は、空気中または空の中で広がっていきます。
だから、もし青い光がたくさん散乱されれば、空が青い光で満たされるから、人の目には空が青く見えるのです。
青い光とは?
続いては、太陽光に含まれる青い光について説明します。
先程、青い光が散乱されると空が青くなるって話をしましたが
「そもそも青い光なんてどこにあるの?」
と思った方もいるかも知れません。
結論から言うと
太陽光の中に青い光が含まれている
のです。
「そんなわけない」と思いましたか?
太陽を見たことある人は、白もしくは少し黄色い光を確認したかも知れません。
(※良い子のみんなは太陽を直接見てはいけません)
「太陽に青い光なんて本当にあるの?」と思った人もいるかも知れません。
その答えは「虹」に隠されています。
七色でとても綺麗ですよね。
実はあの虹の七色の光は全部、太陽光に含まれている光なのです。
光というのは不思議なもので、あの七色の光を全て混ぜると、白い光になるのです。
逆にいうと虹というのは、太陽の白い光が七色に分離されたものなのです。
つまり、空が青いのは
太陽に含まれる七色の光の中で、青い光が特に強くレイリー散乱されて空いっぱいに広がるから
なのです。
なぜ青い光が空いっぱいに広がるのか?
ではどうして、青い光だけが特に強く散乱されるのでしょうか?
結論から言うと
青い光の波長が短いから
です。
実は光の色というのは「波長の長さ」で決まるのです(下図参照)。
https://weathernews.jp/s/topics/202011/020225/ より引用
図にもある通り、波長が短い光は青、波長が長い光が赤という色になります。
(人間にはそう見えます。)
青のように波長が短いと、空気中の分子に当たる回数が多くなります(下図参照)。
https://tadao-sakamoto.com/rayleigh-scattering-mie-scattering/ より引用
波長が短い青い光は間隔が狭いため、もし光つまり波の進行方向に分子が一つあったら、その分子と衝突する可能性が高いのです。
もし光が分子を避けようと思ったら、波の間の狭い間隔を縫わなきゃいけないですからね。
それに対して波長が長い光、つまり赤い光は間隔が広いです。
間隔が広いということは、もし進行方向に分子があったとしても、間隔が狭い光よりも簡単に避けられます。
つまり
波長が短い青い光は、他の色の光よりも空気中の分子に衝突する可能性が高い。
だからこそ青い光は激しくレイリー散乱されるから、空いっぱいに青い光が広がっていき、空が青く見える
のです。
まとめ
波長が短い青い光は、他の色の光よりも空気中の分子に衝突する可能性が高い。
だからこそ青い光は激しくレイリー散乱されるから、空いっぱいに青い光が広がっていき、空が青く見える。
コメント